阿久津真一(ディレクター)
松井隆雄(シンセ マニピュレーター)
勝田さん(アシスタント エンジニア)
I :
何か新しい試みとかはあったんですか?
松井 :
試み・・・和太鼓ですか。
一同 :
和太鼓(笑)
松井 :
和太鼓をいろんなパターンで叩いてみて・・・。最終的に和太鼓の音って入ったんだっけ?
勝田 :
使ってるんじゃないですか?
松井 :
ちょっとだけ・・・。
I :
そういうのは、岡村さんが決めるんですか?
松井 :
そうです。まず最初に作り始めた時は、和太鼓を中心に考えていたようで、それがまぁ、形になったんですけど、また一から作り直して今の最終的な曲に・・・。
勝田 :
(和太鼓は)聴き取りづらいですよね。多分、入っているのはわからないと思いますよ。(笑)
I :
その他に、ここがおもしろいから耳を澄まして聴いて下さいって所はありますか?
松井 :
あのー・・・コーラスをみんなでやった部分があるんですよ。そこかな・・・。
I :
いつもメッセージ色の強い歌詞が多いですが、今回世間に訴えていることって何かありますか?
松井 :
それは、ありますよね。
阿久津 :
「ターザン・ボーイ」 の歌詞に “君のためにライオンと戦える男でいたい” という所があるのですが、そういうことかな? 男性諸君、是非聴いて下さい。
I :
今、岡村さんは、ほとんどレコーディングですか?
阿久津 :
はい、レコーディングです。
I :
もうほとんど(スタジオから)出ないんですか?
阿久津 :
出てこないですね。
I :
大体、1日何時間位レコーディングをやってるんですか?
阿久津 :
平均して、10時間から12時間位かな?
I :
曲作りに関しては一切本人がやっているのですか?
阿久津 :
そうですね。
I :
曲の中に、これ何の音だろうっていうのがあると思うんですが、そういうのは、岡村さんからどういう風に伝えてもらうのですか?
松井 :
う~ん。
I :
そういうのは、ミュージシャンだからわかるのですか?
松井 :
まぁ、いろんな楽器の音を聴いて、“この音がいいから、この音が使いたいからどんな風に使おうか” と、いろいろ試して、最終的にこの使い方がいいなっていうのを残しておきます。
勝田 :
試すことが多いですよね。
松井 :
そうだね。
勝田 :
とにかくやってみよう。それで良かったら使おう・・・。
松井 :
うん。そうね。
I :
えっ!こんな音というのは、何かありますか?
松井 :
やっぱり叩きモノで、ソファーを叩いた音とか。(笑)
I :
レコーディング中になにか特長のある行動ってしますか?
松井 :
歌う時は、形から入ります。体全体で表現するっていう感じかな?
勝田 :
そうですね。
I :
レコーディングの必需品は?
勝田 :
ラジカセ。
松井 :
うん、ラジカセ。録音できるラジカセ。(笑)
勝田 :
歌ってすぐ録音できるラジカセ。(笑)
松井 :
音のスクラップみたいな感じに、音をメモするためにも使ってます。
I :
はじめに、今大体アルバムは半分位と聞いたのですが・・・。
松井 :
そうです。半分強くらい。
I :
何曲かはもうちゃんとした形になっているのですか?
勝田 :
完全に完成品っていうのは、まだ。まだまだいろいろやってますからね。
I :
では、まだ全体的なイメージとかは、岡村さん以外は見えてない・・・?
松井 :
見えてない。
勝田 :
まぁなんとなく、こうじゃないかなーとは思えますけど・・・。
松井 :
今、現在では、まだ何とも言えませんね。
I :
前のアルバムとかと比べて、近いものってありますか?
松井 :
そうですねぇ、今のところ 「どぉなっちゃってんだよ」 とか、あーいうスタイルっていうか・・・。
I :
詞がついているものってあるんですか?
松井 :
詞はシングルの「ターザンボーイ」だけですね。
I :
あとは、まだ・・・。
松井 :
そうです。
I :
アルバムを作る前に、全体的に作るものに対してコンタクトとったりするのですか?
阿久津 :
しないですね。“レコーディングに入るよっ。やるよっ。” って・・・。
I :
最終的に何曲入るのかも、まだわからない?
阿久津 :
今の段階では、まだ・・・。
I :
岡村靖幸のアルバムの楽しみ方は?
阿久津 :
それは、僕が皆さんに聞きたい。(笑) 楽しみ方とは違うけど、ほんと、男の子に聴いてほしい。彼氏が彼女を誘ってコンサートに来るっていうような・・・。
I :
ところで、ライブの予定はあるんですか?
阿久津 :
ライブは秋からやりますよ。10月頃からかな。
I :
最後に何か一言。
阿久津 :
まずは、アルバム乞うご期待!
松井 :
とにかく良いレコードと良いライブをするっていう事ですね。当たり前の事だけど。(笑)
DATE VOL.18(1991 july): レコーディングスタッフ インタビュー part.1 へ