梅雨に入って間もない6月の初め、今にも雨が降り出しそうなグレーの空を見上げながら、私達は約束のレコーディングスタジオへ向かいました。
「こんにちは、お元気でしたか?」
そう言いながらこっちを見ている髪の短い少年は、まさしく岡村靖幸。長かった髪をばっさり切って少しばかり幼くなった岡村クンは、いらずら好きのAmerican Boyといった感じ。黒いサングラスと左耳にはピースマークのイヤリング。そしてなぜか、ひざの上には子猫が気持ち良さそうに眠っている。
かわいいですね。
「ベースの小池が連れてきたんですよ。」
岡村靖幸と子猫。とても不思議な組み合わせみたいだけど、子猫を抱いている岡村クンの表情は、とてもやさしいのです。
と、こんな感じでインタビューは始まりました。
■ 犬も腰ふる “Dog Days”
寝ている子猫を気にしながら、まずは7/22発売のニューシングルについて聞いてみました。
インタビュアー(以下、I):
ニューシングルのタイトルは決まりましたか?
岡村靖幸(以下、岡村):
まだどっちがA面になるかは決まってないんですけど、曲の片っぽは “Dog Days” っていうんです。
I :
曲のタイトルは自分でつけたのですか?
岡村 :
いや、ちがいます。ディレクターがつけたんです。
I :
“Dog Days” という意味は知ってますか?
岡村 :
すっごく暑い7月中旬から8月終わりまでの季節をいうんだけど、どうして “Dog Days” かというと、犬もだらけちゃうほど暑い季節っていうんで “Dog Days” っていうんですよ。
I :
特に苦労したところはありますか?
岡村 :
今回はそんなに苦労しなかったんだけど、アレンジの面で。ギターはスタジオミュージシャンに頼んだんだけど、なかなか頭に浮かんだようなギターの感じは出なくて、結局2曲とも自分がギターを弾いたんだけどね。それぐらいかな。あとはまあうまくいきました。
I :
自分でやった方がうまくいきますか?
岡村 :
そうですね。“Out of Blue” も僕が弾いたんですよ、ギター。前のLPでもギターは入れてたんですけど。“Water Bed” のギターも僕がやってるんです。
I :
ギターは特に習ったわけではないんですよね。
岡村 :
全然そんなことないです。
I :
ジャケットの撮影はもう終わりましたか?
岡村 :
ジャケットはもう撮影しました。
I :
気に入ってますか?
岡村 :
まあまあ気に入ってます。
I :
もう一曲のタイトルは?
岡村 :
仮タイトルは “シャイニング” というんですけど。
I :
自分ではどちらが気に入ってますか?
岡村 :
どっちも好きですよ。
I :
プロモーションビデオは作りましたか?
岡村 :
まだ作ってないけど、たぶんもうすぐ作るでしょう。
I :
BEE のビデオコンサートがよかったという反響が多いんですよ。
岡村 :
ほんとですか?うれしいなあ。
■ 岡村靖幸の LIVE=DATE
次に大成功に終わった前回の YELLOW TOUR について質問してみました。
I :
一番ノリの良かったところは?
岡村 :
東京と名古屋と大阪かな。特に大阪のは。仙台とかけっこうとまどってる人がいて、どうしようかと思ったんですけどね。
I :
ツアー中にハプニングとかありましたか?
岡村 :
ファミコンのやりすぎで、キーボーディストが一人病気になったんです。そのくらいですね。
I :
ピンクのカーネーションを投げた理由は?
岡村 :
投げたいと思ったからです(笑)。
I :
それは岡村さんの意思ですか?
岡村 :
あれは僕の意思です。みんなは反対したんだけど。気持ち悪い、それ西城秀樹じゃないんだから(笑)、やめろよとか言われたけど、やりたかったから、やったんです。
I :
どうしてもピンク色がよかったんですか?
岡村 :
ピンクじゃなくてもよかったんだけど。
I :
カーネーションには、意味はあるんですか?
岡村 :
意味は全然ないです。とりあえずお花を投げたかったから。
岡村クンの投げたカーネーションをもらった人、いっぱいいるんじゃないかな?
ドライフラワーにして大事にとってあると言ってた女の子もいました。あのカーネーションは、彼のハートです。
■ 真夏のDATEでもっと熱くなれ
今年の夏、数多くのイベントに参加する岡村クンですが、初めての野外でどんなステージを見せてくれるのでしょう。そのところをちょっと聞いてみました。
I :
夏はけっこうイベントに出るそうですが、夏は好きですか?
岡村 :
まあまあ好きです。
I :
バックメンバーの方は前回と同じですか?
岡村 :
メンバーのスケジュールの都合で、若干変わります。
I :
初めての野外ですが、どうですか?
岡村 :
楽しみですね。野外だと音が悪いってみんな言ってるから心配なんだけど。とりあえず、インパクトだけで迫っていこうと。ビッグな人がいっぱい出ますからね。インパクトだけで、ごまかしていっちゃおうと思ってますけどね。
I :
やっぱり踊りを見てほしいですよね?
岡村 :
踊りだけは上手ですからね。(笑) 歌はよく間違えたり、声出なかったりするんだけど、踊りだけは上手ですからね。踊りだけでごまかして帰っちゃおうかと思ってるんですけど。
とっても待ち遠しいこれらのイベントは、全部地方です。渋谷公会堂で DATE できなくて泣いていたあなた。この夏はあなたの街で、岡村クンと熱い DATE をしてみてはいかが?
■ 岡村クンのすべてが分かる! かもしれない
岡村クンの考えてること、好みのモノとか、知りたいよね。では、教えてあげましょう。
I :
好きな色ってありますか?
岡村 :
まあ、いろんな色が好きなんだけど、紫とか好きですね。・・・この緑色(と言って着ていたGジャンの模様を指差して)何ていう緑色なのかなあー。
I :
エメラルドグリーンでは?
岡村 :
エメラルドグリーンって、けっこう好きだなあ。
I :
自分を色に例えると、何色だと思いますか?
岡村 :
黄色かな。
I :
好きな言葉は?
岡村 :
(ここで30秒間考えたのち)素敵っていう言葉がけっこう好きですね。
I :
好きな食べ物は?
岡村 :
最近 “ジョア” が好きなんですよ(笑)。ジョアのプレーンっていうのが最近好きですね。
I :
卵が好きだと聞いてますが?
岡村 :
卵は普遍的に好きなんです。昔から、子供の時から好きなんです。
I :
どんな料理にしても好きなのですか?
岡村 :
ええ好きです。特にスクランブルエッグとか、ああいうの好きですね。
I :
自分で作るのですか?
岡村 :
いやあ、自分では作らないですね。
I :
嫌いな食べ物はありますか?
岡村 :
気持ち悪い食べ物は嫌いですね。サラダの中にミカンが入ってたり、ピラフの中に干しぶどう入ってたりとか。
I :
干しぶどうは嫌いですか?
岡村 :
単体は大丈夫なんだけど。(笑) カレーピラフの中にそういうのが入ると、気持ち悪いなと。なんか、プリンの中にネギが入ってるみたいで。(大爆笑)
I :
好きな土地はありますか?
岡村 :
どこでも好きですね。住めば都って。
I :
尊敬する人は?
岡村 :
んープリンスですね。
I :
髪を切っちゃった理由はありますか?
岡村 :
あきちゃったんですよね。
I :
どれくらいあの髪型をしていましたか?
岡村 :
デビューしたころからあの髪型だったから・・・半年以上やってましたね。
I :
得意なスポーツは?
岡村 :
バスケットボールを中学と高校の時にやってました。あとサッカー部と野球部にもいたんですけど。並行してやっていたという。本当は許されないことなんだけど。
I :
曲を作るときの必需品は何かありますか?
岡村 :
曲を作るのは簡単だから、別に何もいらないですね。
I :
詩を書くときは?
岡村 :
ベッドが必要ですね。だいたいベッドの上で作りますからね。
I :
最近、人見知りしますか?
岡村 :
そうですね。やっぱりしますね。
I :
今一番必要なモノとか欲しいモノはありますか?
岡村 :
・・・ “愛” が欲しいですね。くさいけど。
I :
お化粧するのは好きですか?
岡村 :
根本的に濃すぎるのは嫌いですけど。あの安全地帯みたいに、まぶたを真っ黒にするのとかは嫌いだけど、薄いのは好きですね。
I :
自分でするのですか?
岡村 :
自分でするときもあるし。だいたい撮影の時はメイクさんにやってもらいますね。してるかしてないか程度のね。
I :
最近、腹が立ったことはありましたか?
岡村 :
最近、腹が立つことよりも、虚しいとか悲しいとかよく思いますね。腹立つ現象がおきても腹立つより虚しいとか、せつないなとか。
I :
好きなコミュニケーションの方法は?
岡村 :
電話が好きです。
I :
岡村さんにとってのドラッグって何ですか?
岡村 :
恋ですね。
I :
自分のことを子供だと思いますか?
岡村 :
思います。
I :
大人ではないですか?
岡村 :
大人ではないですね。
I :
ひとめボレすることはありますか?
岡村 :
なかなかかわいいじゃんて思うことはよくありますけど、好きになってしょうがないっていうことはないですね。
I :
でもディスコでナンパしたいとか?
岡村 :
ナンパしたことはありません。(キッパリ) ナンパされたことはあります。生まれて1回だけ。
I :
好きな女性のタイプは?
岡村 :
僕のことを好きな人ですね。