阿久津真一(ディレクター)
松井隆雄(シンセ マニピュレーター)
勝田さん(アシスタント エンジニア)
インタビュアー(以下、I):
レコーディングは今どれ位進んでいるのですか?
阿久津真一(以下、阿久津):
彼に聞いて下さい。(と言って勝田さんにふる)彼は今回からレコーディングエンジニアとして参加してます。今日は、是非、彼の方から話を聞いて下さい。
勝田さん(以下、勝田):
今は・・・ベーシックなリズムと、あとそれに合わせて、上にどんどん音を重ねていく、ダビングという作業をしてます。
I :
じゃあ、だいたい音のおおもとは出来ているのですか?
勝田 :
そうですね。音のおおもとが出来ているのは5割位・・・半分位は出来ているんじゃないでしょうか。
I :
今回のアルバムは、どんな感じのものですか? 簡単に教えて下さい。
勝田 :
そうですね。岡村さんとは、今回が初めてレコーディングを一緒にする訳で、(岡村さんの音楽を)前から通して聴いてみると、今回のアルバムは、結構バラエティ豊かじゃないかなぁって。だから単なるロックじゃなくて、ジャズ系の強いロックとか、ポップス系の強いのとか、ハウス系が強かったりとか・・・それに、純なバラードがあったりとか。そんなアルバムになると思いますよ。
I :
アルバムは、いつ頃発売されるのですか?
阿久津 :
9月の後半を考えています。
I :
松井さんから見て、今回のアルバムはどんな風に感じますか?
松井隆雄 (以下、松井) :
そうですねぇ。前回よりポップだと思います。「家庭教師」 とくらべてポップなものが多いと思います。
I :
今までのアルバムの流れとは、また違ってきてるという感じですか?
松井 :
いや、全然違うって訳じゃないですけど、う~ん・・・分かりやすい曲が多いかもしれない。全体的に・・・。
I :
岡村さんの曲というのは、曲と同時に詞が作られているのですか?それとも曲だけ先に作られているのですか?
松井 :
曲が最初です。詞は後で、はめこむって感じですね。最初わりと適当な英語で(笑)仮歌をやるんですけど、それが叩き台になるって感じが多いですね。
I :
レコーディング中のエピソードとかありますか?
松井 :
まぁ、今回はエピソードと言うと・・・みんな・・・。
勝田 :
風邪が。(笑)
松井 :
風邪にやられました。(笑)まず最初、僕が倒れて1日お休みしたりして。あと、シングルの歌入れの時に、岡村くんが風邪をひいちゃった。(笑)
勝田 :
1週間位・・・。
松井 :
まぁ、それが大きいと言えば大きいね。
勝田 :
大きいですね。あと、僕以外にもエンジニアの人もたおれちゃいました。(笑)阿久津さんも・・・(笑)
松井 :
阿久津さんも、みんな風邪で。
I :
レコーディングしている時間というのは、いつ頃なんですか?
阿久津 :
皆さんがお休みになっている頃です。
松井 :
そうです。完璧に皆さん寝ている時間に仕事しています。
I :
8月発売のクリップ集(It's a Peachful World)は、全てシングルになっている曲ですか?
阿久津 :
全てシングル曲ではないです。
I :
新しい所では・・・
阿久津 :
新しい所では、アルバム 「家庭教師」 に入ってる (E)na が、このクリップ集に入っています。昔の岡村くんから現在の岡村くんまで楽しめる訳で、これは各家庭に1つ、家宝としてもっていて欲しいですね。
I :
今回の新曲(ターザン・ボーイ)も入っているのですか?
阿久津 :
新曲(ターザン・ボーイ)はちょっと間に合わないですね。
I :
「ターザン・ボーイ」 で何かエピソードはありますか?
勝田 :
やっぱり風邪ですか。(笑)
松井 :
風邪もそうだし、う~ん・・・。
I :
じゃ、一度風邪が治ってから録ったものなのですか?
松井 :
やっと治って・・・。
勝田 :
歌がなかなか入んなかったんですよね。声の調子が良くなくって。
阿久津 :
まあ、とにかく長かったよね。「ターザン・ボーイ」 のレコーディングは・・・。時間かかってますよ。レコーディングを開始したのが、2月か3月位かなぁ・・・。
松井 :
そうですね。
阿久津 :
3月頃から始まって、それで、あーでもない、こーでもないって、いろいろやって、出来たのってつい最近だもんね。練りに練って作った。
I :
最初の頃から比べて、かなり雰囲気は変わってきてますか?
松井 :
かなり変わった。
阿久津 :
そうだね。
松井 :
最初の頃と比べると、全然テンポとかも違う・・・。
勝田 :
もっと早かったんでしたっけ?
松井 :
もっと早くて、別のものだったから。
阿久津 :
テイクで言うと、4テイクぐらいあるのかな?
松井 :
うん、完全なのは3テイクあるよね。
I :
それって言うのは、メロディーラインは同じであって、違うものっていう事ですか?
松井 :
はい、そうですね。メロディーラインは大体同じで、サウンドとかテンポとか、そういうのが、だんだん変わってきて・・・。
阿久津 :
メロディーラインも最初と比べてちょっと変わったよね。
松井 :
そうですね。
阿久津 :
大筋は変わってないけど、サビの部分はちょっと変わってるよね。
松井 :
うん、うん。
I :
いつも他の曲でもメロディーは同じで・・・って感じに作るんですか?
松井 :
基本的にそうですね。同じ曲なんだけど、全然テイクが違うのが1つ2つはあるかもしれない。
DATE VOL.18(1991 july): レコーディングスタッフ インタビュー part.2 へ