川本真琴 : 「The Complete Singles Collection 1996-2001」

2010/02/24 発売 Sony Music Direct
MHCL20090

single collection

Disc1-01 : 愛の才能(Single Version)

岡村靖幸さんプロデュースのデビューシングル。ファーストアルバム収録のヴァージョンとは違い、川本さんの声がサンプリングされたイントロのついたオリジナルヴァージョンです。当初はイントロに岡村さんの 「聖書」 へのオマージュで川本さんがセリフを入れていましたが、ミックスダウンの際に川本さんと相談してカット、セリフなしのイントロに差し替え、編集しました。サンプリングされている声はそのセリフの一部です。

ボーカルレコーディング時に複雑なコーラスラインを急遽岡村さんが思いつき、次々と唄いだしたことと、川本さんがそれを瞬時に記憶し、サビの上にさらさらと重ねて録音していったことにとても驚きました。また、デモヴァージョンで岡村さんが唄っていた 「I know / you know / they know」 という部分に 「愛の / 才能 / ないの」 というぴったりの語呂の歌詞がついた時に、岡村さんが大変褒めてくださったことを記憶しています。

しかしながら、周囲からは 「早口で何を唄っているか聴き取れない」 「岡村ちゃんの物真似だ」 という批判的な意見が多かったです。東京のラジオでは、ほとんどオンエアされなかったと記憶しています。

Disc1-13 : FRAGILE

川本さんと一緒に 「ペンネーム磯野さん」 の自宅に遊びに行った際に 「もう一曲作ってみよう」 と盛り上がり、「愛の才能」 以来のコンビ復活となりました。結果的に「微熱」の作業が 「第一期 川本真琴」 の区切りになったことを考えると、このタイミングでもう一度共作が生まれたことに不思議な流れを感じてしまいます。

原曲は磯野氏が以前から温めていた素敵なバラードで、「昔、友達の結婚式のために作ったんだけど」 とその場で弾き語りを聴かせていただきました。「愛の才能」 と全く同じミュージシャン、同じスタジオという環境でベーシックトラックを録音した後、川本さんは後半部分の制作のため渡米。BECKの父親であるストリングスアレンジを担当したDavid Campbell氏や、現在も親交の深いエンジニアStan Katayama氏と出会いました。

仕上がりを聴いた磯野氏から絶賛の電話をいただいた事を思い出します。